百聞は一見に如かず

百聞は一見に如かず

私は絵を見るのが好きで、年に何回か美術館などに絵を見に行きます。
自分は絵を見ている時に、その絵の背景を想像しながら見ています。

例えば静物画なら、なぜこの構図で描いたのかとか、風景画なら、描いている時間の中の、どの瞬間を切り取ったのだろうとかを思いながら見ています。

そのように美術館で絵を見ていると、こう考える事があります。
「自分はこう考えてこの絵を見ているが、隣の人は隣の人なりの背景を思い、見ているのだろう。そうなると自分が見ている絵と、隣の人が見ている絵は全く別物ではないのか。」
とても不思議な気持ちになります。

昨年末にゴッホの企画展を鑑賞してきました。
この企画展は、34台のプロジェクターを使い、360度、天井から壁、柱、床までゴッホに絵を写しだすという映像展で、映しだされた絵が動くという驚きの企画展でした。
それはまさに映像を作った人の、絵に対する背景を見ている様で興奮しました。

そしてやはり、自分の思っているゴッホの絵と、製作者が見ている絵は別の物でした。
「どう伝えたかではなく、どう伝わったか。」とよく言われます。
仕事する中で、とても重い言葉だと思います。

今回の企画展で思った事は、映像での説得力が圧倒的で、まさに「百聞は一見に如かず」という事。そして、果たして製作者は、言葉でこれを伝える事が出来るのであろうかという事。「言葉で伝える事の難しさ」を痛感しました。
自分の考えはどの様に相手に伝わったのか。改めて考えながら仕事を進めていかなければ、と考えさせられた企画展でした。

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